気まぐれな解説。
シザーとバリカン、どちらが犬にとっていい?
(似たようなテーマ過去にも書いたな…よくある質問なんですよ。)
先日ゆずを洗い、姉んとこのけんぢもやっとトリミング。
いつも胴を5mmでさっさかやってるんですが、
しつけ仲間からトリミング相談受けててもしやと思ったら…
全身シザーやってみたら手がプルプルするぅううwwwww
腕の劣化半端ねえ!!!!!
しかしけんぢは股関節脱臼で骨頭切除のOPEした人なので、
負担をかけたくない(慣れてて短時間にすめばいいのですが)。
2か月に1頭のすかすかトイプー切ってるだけの腕落ちてる私ですので、
バリカンかけたあと、シザー仕上げで練習することにしました。
↓丸めた背中の画像がそうなんですが…伝わるかなw
左側がバリカン、右側がバリカン後シザー入れたもの。
すみません、へっぽこ腕なままなので長さまで変わってしまってますが。
バリカン仕上げはのちに解説しますが、断面がギザギザなんです。
シザーはシャープにぴしっと仕上がります。
バリカンは早いのですが、下刃がアタッチメントとして固定になっていて、
ただのクシになっています。
そこに、上の刃が電動の横スライドでそぎ切りをする仕組みになっています。
懐かしのブイーーーンって芝刈り機みたいに。
つまり、上刃が横にいって返って毛を切るまでの間に、
バリカン全体を早く動かしてしまうと、切れない毛が出てきます。
また、下刃のクシが立たせてない毛も、切れません。
だから、一度通しただけではバリカンはきれいに切れないのです。
また、何度も通せば固定している下刃とはいえ、
横スライドしている上刃の振動が伝わりますし、ゴリゴリと当てれば
それも皮膚刺激になります。
刃は金属ですから素材による差はあれど、10分もすれば
モーターからの熱が伝わり、人の手でも「あっちっち!」ってくらいになります。
熱くなる前に終わらせるとか、手順で休ませたり替え刃を使ったりしますが、
生徒のあるある、夢中になると気づかず続けちゃう。
冷やすスプレーは焼け石に水。熱いのはモーターだから。
皮膚にしっかり当てて、2回くらいで終わらせること、それも技術です。
そのためには、その前のグルーミングでしっかり毛を立たせて
方向をそろえておく、これもまた技術です。すべてつながっています。
これに対し、シザー仕上げというのは直線の刃物が交差する
「点」で切りますので、皮膚に触れることはありません。
あるとすれば立たせるコーム遣いのとき。
ただし何に置いても正しい使い方は、皮膚に当てるのではなく
皮膚すれすれにするのが正解です。
(この「点」で切ると、犬の細い毛一本でも、倒すことなく切ることができます。そのために、工作用はさみと異なる持ち方を美容師やトリマーはするのです。
ですからハサミの持ち方ができなければ点で切ることはできません。
工作用ハサミは根元で切りますが、トリミングや美容では
刃先1cm程度が大半を行います。)
こういったことから、「皮膚のためにはシザー仕上げがいい」と言われますが、
技術者の腕や犬の性格から時間がかかるなら別のストレスになりますし、
バリカンで浮かし切りをして、シザーで仕上げれば時間短縮もできます。
バリカンの音が嫌な子もいますが、シザーのシャキシャキが嫌な子もいます。
切れないバリカンやハサミが毛を引っ張ってしまうのもリスクは同じ。
バリカンで逆剃りにした場合もまた皮膚への負荷が変わってきます。
全身をどちらかだけの使用に限る必要があるケースのほうが少ない。
というわけで考えうる可能性を書き出したら止まらないので
これくらいにしておきますが、様々な要素から(そのわんこの性格、皮膚、
仕上がりの美しさ、時間、…)、優先順位は千差万別。
やり方の引き出しを持っているトリマーなら組み合わせで
無限大の対応が可能です。
ってことで。言いっぱなしで終了。
そんなトリマーが増えることを願うしか今はできないもーん
そんなトリマーが増えることを願うしか今はできないもーん
ちっこい画像でビフォアアフターw
他は伸びてもすねの毛だけ伸びてくれないケンヂ…
耳付きがひどすぎたので上げるために伸ばしちう。ゼッタイ今生徒のがうまい…