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Channel: わんこと淡水&海水アクア、家庭菜園とか。
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危うく知らずにいるところだった

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「蜘蛛巣城」DVDを胆嚢いや堪能した。
黒澤明すげえ!!そして三船敏郎!!
世界のクロサワとかミフネとかいうけど、
世界が称賛するはずだわ。
皮肉にも、自分の国の良さって外からの方が発見しやすいのか。
日本はそういう点で伝統芸能も宝の宝庫なのに!!!
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そもそも、黒澤は三船でできたんだね。
完璧主義って知ってはいたけど、どういうところをこだわっていたのか、
以前はわからなかった。ただの白黒の暗い映画だと思ってた。
ところがどっこい!!!!
 
三船敏郎もさ、なんだ三船みかのおやじでしょ、くらいだったけど!!!
アランドロンもロバートデニーロも神と崇める人!
ジョージルーカスも憧れてオビワンのオファー出すも蹴られ、
じゃあダースベイダーって言っても蹴られ、
それでも憧れてダースベイダーの仮面デザインは三船をイメージしたという!
 
それなのに8時だよ全員集合でひげダンスで退場しちゃうとか何!
徴兵でぼっこぼこにされても!後輩かわいがるとか!料理炊事洗濯こなすとか!
こころからサムライだなこの人!オマージュでサムライの香水作るわそりゃ!
 
 
ということで青二才な私は、今頃三船と黒澤という世界の至宝ともいえる
タッグを認識し、興奮している!!!!
 
気になった人は是非wikiってください!三船敏郎で!
読めば読むほど惚れるわ!惚れないわけがないわ!
 
そして若いときの写真なんてこれだかんね!
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もうね!いつ外国の方にミフネトーク迫られても、
同じテンションでイケる!(テンションだけ!
待ってね、これから順次DVD漁ってくから!←誰
 
 
いや、ぶっちゃけさ、黒澤って往年の監督で頑固じじぃでさ、
三船敏郎も晩年はにやけた不動産王みたいな面してるし、興味薄かった。
どちらも巨匠とは知ってはいたが。しかし全盛期やばい。まじやばい。
 
 
そんな「蜘蛛巣城」、なんで突然黒澤かというと、
相変わらずのマクベス熱が冷めやらぬからです!!!
あのいずれ国宝級の萬斎氏が対談で蜷川氏と絶賛してるから
なんだろうと思って観たらこれですよ。
 
シェイクスピアのマクベスを、日本の戦国時代にそのままもってったっていう。
いやもうほんと天才。これ60年前に撮ってたって!
もうこれ毎年ながそ!ACの広告よりこっちながそ!
 
 
当時の合戦シーンの迫力も、小高い山に実際に走り抜けていく様が、
昨今の時代劇のチープさと雲泥の差!
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今だったらやるなら「ラストサムライ」のニュージーランドだかどっかで
撮ったシーンか。(作品は大好きです)
 
それくらい広大な自然が残ってないとできないし、
かといってあれも植生がやっぱり日本じゃなくてさ、違和感あったよね。
なんでアマゾンだよ巨大なシダ植物おおすぎだろっていう。
それが当時自然も残ってる中で、日本でやってるわけだから貴重!
 
 
音楽も、クロサワが能とか伝統芸能の感覚を持っているから、
能管かなあれ?笛がかっこよくて!
しかも衣擦れと音すらかっこよくて!
一流の能楽を見ているような!(しかも意味の分かるw)
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所作も美しいし、どこ撮っても絵画みたい。迫力もすごい。
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なんで鳥飛んできてんのに瞬き一つしないんだミフネ!すごいな!
家臣を殺したショックでよろめきながら投げる刀と鞘が、
スパーンと画角の左右に対称に美しく飛ぶの!
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それ何テイク!?
 
下剋上の時代に魔女(あやかし)の予言を聞くという、もはや自分の願望を
不意に認識したことの象徴のよう。
 
口にすることで、願望は欲望に変わる。物事が動き出す。
そして過ちは終わることなく血の川を渡りきらねば自分が沈む。
 
ミフネの殺陣がすごい!
何この人!
コマ送りで刀が写らないスピードって何!!!
今世界で誰一人敵う人出てきたことないんじゃないか!
 
 
ハァハァ
 
 
 
…というわけで、ミフネとクロサワ、二人が組まなくなってからは
クロサワもいい作品がなかったって言われちゃうのもわかるわ。
これは化学反応ですよ。素材と素材が出会ったから生まれたんですよ。
 
 
なんかさ、精神が~とか鬱とか人間失格とかいろいろ誰しも悩むけど、
自分って何?周りからどう思われてんの?何のために生きるの?
そんな中2病とそこはかとなく折り合いつけて生きていくけどさ、
結局誰の心の中にも消えずにあるもの。
 
そういう醜いどろどろも人間の浅はかさも愚かさも、
すべて如実に浮彫にしておきながら、血を吐いても朝を超える鳥だ!(ナウシカw)的に愛しいような人間愛やら考えるものを、
まあ何年経っても人は表現しようとするんだろうね。
 
「こんな汚い自分」「こんな私じゃ」って思っても、歴史の中の有名人やら
有名な作品は、ふと触れるとこんなにも時代関係なく
普遍のものなのかと身近に思える。
 
 
いやはや、この作品の良さを知らずに死なずにすんでよかったと思う作品!
 

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