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Channel: わんこと淡水&海水アクア、家庭菜園とか。
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すんげー名作 蒼天の夢

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2000年にNHKのお正月スペシャルだかなんだかで放映された、2時間くらいのドラマ。
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タイトル通り、素晴らしい!
知らなかったよ~こんなん放送されてたの。
 
幕末のお話しって、確かに激動の時代ですから複雑に絡まり合って
鑑賞後に「…なんかいろいろな思いの人がいていろんな動きがあって大変だったのね」
くらいしか残らないんだけどさ(有名人が動きすぎて、頭のキャパを越えて感動より勝ってしまう感じ)
 
これは…非常にわかりやすかった…!
 
高杉晋作が回顧して語る、吉田松陰のお話し、なんですけどね。
うまいね。
 
司馬遼太郎の長編歴史小説「世に棲む日日」、音楽服部隆之ですからね。
阿部ちゃんまで出てくるし、天海ゆうきもうっつくしー 久しぶりに見た上原さくらもタラコ唇なつかしー
 
幕末ってさ、個人的には武士道の美しさもあるし、ペリー来航からの士農工商ぶっこわせ!の動きは
鎌倉時代から続く700年の武士の世界を壊すためには失ってしまったものもあまりに多くて、
どちらかというと好きじゃない。
 
ただ、アヘン戦争で清がなぜ負けたか、リーダーが国の利でなく個人の利に走ったからだ、とか
このままでは日本とアメリカが戦えば、士農工商の日本では一致団結はかなわず、
武士のみが闘い負けることになる、とか
 
そこで、ペリー来航により、ゆさぶりをかけられたことによって、個人の自由、平等の思想にふれ、
その強さにあこがれ、いち早く尊王攘夷に目覚めたのが吉田松陰だったと。
 
幕府憎しではなく、あくまでも身分制度廃止のために一度ぶっ壊す必要があるってことだったんだろうな。
 
何より高杉晋作のやんちゃで女好きで、おぼっちゃんならではの三味線やらお声やら、
ヤサオトコっぷりも野村萬斎はまりすぎだ・・・
 
中村橋之助と野村萬斎、歌舞伎と狂言の感じもおもしろかった。なるほどなるほどと思った。
 
変化球でうまいことさらっとやってのける高杉晋作と、ひたすらまっすぐ!な吉田松陰、
会わねばならないめぐりあわせだよな~と。
 
阿部ちゃんは出番少ないけどかっこいいし。維新の三傑、桂小五郎(木戸孝允)役。
 
野村萬斎演じる高杉晋作にくっついていた高嶋政伸が、のちの初代内閣総理大臣伊藤博文で。
日本陸軍の基礎を築いた山縣有朋、
国木田独歩の小説「富岡先生」のモデルになったといわれる富永有隣、
「日本遠征記」で吉田松陰を称賛したと言われるペリー提督、
日本に先駆け、吉田松陰の伝記を書いたとされる「宝島」のスティーブンソンは、吉田松陰を
「人類史上もっとも高潔な人物」と称えています。
 
いろんな人が出るには出るんだけど、強調しすぎることなくさらっと居てくれるので、観やすい!
 
 
「人は生まれつき善なのだから。 
誰にでもその種があるのです。」
 
人はうまれつき善、幾度となく繰り返し、
「先生は甘い!」と、利がなければ人は動かぬと反発する高杉晋作に対し
「呼びかけが足りぬのです、真心が足りぬのです」と立場が悪くなるにも関わらず、
自分を倒幕派として捕えた井伊直弼にさえも通じるよう、最期まで身分の差なく暮らせる世の中を
説いた吉田松陰。
 
 
松陰の松下村塾は一方的に師匠が弟子に教えるものではなく、
松陰が弟子と一緒に意見を交わしたり、文学だけでなく登山や水泳なども行なうという
「生きた学問」だったといわれる。とwikiにもある通り、筑波大附属とかもそこらへんすごいもんな~
筑駒とかも、超難関ながら、原体験をすごく大事にするし、討論もすごいするし。
そういう教えを続けているんでしょうね。
 
教えるという立場に立ったとき、人は誰しもこの吉田松陰、松下村塾について思いをはせることに
なるかと思います。私も歴史で習っていた以外は、
中学受験塾で幼稚園でたての小学生から思春期突入するまでを見守る立場になったとき、
「なんで勉強しなくちゃいけないの?」
という疑問にいかに納得できるよう、学ぶ意義と明るい希望を持って学ぶ喜びを感じさせてあげられるかを
常に考えてきました。
 
それは、人生転換したときペット業界に入ってからも、トリミングの講師として社会人に教えるときにも
根幹となるものでした。
 
表面上の技術だけでなく、真心があるかどうか。
「教える」ということは求められるものを渡すだけならただのお遣い。伝言ゲーム。
そこにいかに相手の人生とかかわった幸運を考え、交わっていけるかどうかを
考えることの深さと楽しさを思い出しました。
 
優秀な才が教えるのがうまいとは限らない。
必ず教え上手は、相手の心の内を思いやりながら語りかけていきます。
知識の水を飲みきれるかどうかも配慮せずぶっかけるのではなくて、本人の様子を見ながら
ときに流量を調節し、ときに浸透を待って、十分に染み渡ったかどうかを確認しながらいきます。
 
 
今のペット業界から見ていても、あのフードが怖いとかメーカーが悪だとか
トリマーのせいだとか獣医師が、ブリーダーが悪だとか、そんなんだらけ。
 
なんか変なことになっているとしたら、なぜなったのか、戻すにはどうずればよいか、
ならないようにするにはどうすればよいか…
 
人は生まれつき善、淘汰される素材などなく、それを仕立てる大人たち先人の力量であると
思う私にとっては、そうだったそうだったと久しぶりに心が明るくなる時間でした。
 
 
「経済を教えよう」
「経済とは、どうやって利を得るかを学ぶということですか?」
「経済とは、経世済民(けいせいさいみん)。「世を經(おさ)め、民を濟(すく)う」ためのものだ」
 
このやりとり、懐かしい…私自身も高校か何かでも聞いた気がする。
先生方は、伝えよう伝えようとしていてくれてたんだな~と今さらながら思い出しました。
 
ツタヤのレンタルで借りたけど、中古で買っておこうかな。
 
ちなみにこの幕末まとめがおもしろい↓

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