職人仕事は、アーティストでサイエンティスト。
相反するようでいて、いったりきたり。鶏が先か卵が先かみたいな関係。
JAHAのしつけの先生たちも言ってたけど、以前どこかでそのフレーズ聞いたことある。
誰の言葉だったか。
幾度となく書いているトリマーの仕事だけれど、つやつやに真っ直ぐ美しく乾かす、というのが
トリミングの腕を左右する。縮れ毛カットしたら、そのうち後からビヨンって伸びてきて
ばらばらになっちゃいますよね。
しかし、ただ乾かすと思いめさるな。熟達するまでみんなここに悩むのであります。
ぶるぶるケンちゃん↑
これ、人間の髪でもいえる、「水素結合」というのと関係があります。
プラスマイナスのイオンの話とか難しいこと考えなくても、ざっくり言えば
プラスマイナスのイオンの話とか難しいこと考えなくても、ざっくり言えば
髪は水吸うとふよふよすごく不安定な状態になります。
乾かした後、せっかく伸ばした毛を触ってつぶしてしまう生徒がいますが、
ちっがーーーう。
ドライヤーの温風で乾かした後、室温に戻るまでの間に、癖はつくのです!
切れた鎖がつながって結合しちゃうんですよ~
これは、窓が結露したり、冷たいジュースを入れたグラスに水滴がつくのと同じ。
どちらも温度差があり、温度が高い方の空気中の水分が集まるわけです。
では、ドライヤーで伸ばした直後の髪は…おわかりですね。
ゆっくり室温に合わせて冷えていくとき、空気中の水分をため込んでしまうのは
ドライヤーで熱くなった髪のほう。だから冷え切るまで触るのは厳禁です。
なのでスリッカーで伸ばして乾かした後、コーミングしてまっすぐに整えるという作業が
プードルのようなくせ毛の子たちは重要なのですね。
空気中の水分でさえそんなもんだから、「一か所ずつ完璧に根元まで乾かしてから移動しなさい」とは
空気中の水分でさえそんなもんだから、「一か所ずつ完璧に根元まで乾かしてから移動しなさい」とは
常々指導するのですが、それすらできず根元に明確な湿気なんて残したら論外なのですよ。
毛量の多いかたやくせっ毛の方は、湿気の多い日や風呂から出て手で乾かしただけで
生乾きの変な癖のつきかたに、苦々しい思いをした方も多いはず。
あとはホットカーラーとかやったことある方もわかるんじゃないかな。
あれ、熱いさなかに外さないですよね、冷めてから外すけど、形状記憶みたいにクルンてなりますよね。
なので、美しくキューティクルも整えて傷みにくい毛に仕上げるこつは、
なので、美しくキューティクルも整えて傷みにくい毛に仕上げるこつは、
素早く一気に湿気ゼロにまで乾かしてから移動すること、
乾かした部分は、しっかり冷めるまで触らないこと
(もしくは冷風という手もあるけど、あれって結構風力で乱れる)。
ここまでの話は、小学生の理科や化学だとしても高校範囲内で実はみんなある程度わかること。
人間の理容学校はそこらへんもしっかりやります。なのでシャンプーやダメージに詳しい。
でもトリマーって、なんだかそこらへんやるところ少ない。
あってもシャンプーメーカー招いて講演してもらう程度。
なので私は講師時代、発展クラスにまで進んだ人には説明していましたけど、
トリマーもそこらへん学ぶ姿勢は必要じゃないかなぁと思います。
経験だけでなく、理論的にも最適な方法を選んでできるようになるといいですよね。
トリマーもシャンプープロデュースしたり、人気になるような人は
トリマーもシャンプープロデュースしたり、人気になるような人は
そこまでこだわってる方もちらほら出てきますが、
底上げするならどの学校もちゃんとそういうサイエンスがあってのアーティスティックさだということが