いっつも思うけど科博の特別展って
入り口がどんな安サーカスかと思うような裏通り歩かされるよね。
チケットも前売りの手ぬぐいつき、
音声ガイドもつけるに決まってるじゃないですかむしろ大沢たかお聴きに
きたに決まってるじゃないですか。
声がイイ。
「おすすめです。必見です。なんならもう一度行こうかと思ってます。」
ふぅ、結論を言ったところで。
気づいたら3時間見てたよ。びっくりしてこの後東京駅行って
ふぅ、結論を言ったところで。
気づいたら3時間見てたよ。びっくりしてこの後東京駅行って
乾通りを歩こうかと思ってたけどそんな気も起きなかったよ。
秋に公開するらしいからそっちはまた今度。
イケてるスカル。
まじないや呪術、祈祷など、術を知らなかったころはそうすることで
「心の救済」をはかっていました。
根底にあるのは、「仁(じん)の心」、
苦痛を少しでも取り除いてやりたいと思ういたわりの心。
それはヒポクラテスも神農(しんのう、中国の農業と医療の神)も共通。
神農は自ら薬草を口にしてその薬効を体で調べたといいます。
それがやがて薬草として広まり、資料からわかるのは効能をまとめたり、
それがやがて薬草として広まり、資料からわかるのは効能をまとめたり、
どうしたら身近な植物、手に入りやすいもので貧富の差なく救済できるかの思い。
やがて中国医学が入ってきて、それを日本流に独自の発展をさせたのが漢方。
(これは以前北里大の漢方シンポジウムでもわかりやすく紹介していました)
蘭学としてオランダだったり、のちにドイツだったり。
とにかくすごいのは、日本人がどんな国のやり方だろうが流派だろうが関係なく、
勤勉に取り組みうまいことミックスさせて新たに歩を進めるところ。
解体新書として体の仕組みが本として庶民にも伝わることになると、
劇的に日本各地で研究がすすみます。
軽く地獄絵図にも似る。
処刑人の解体が主ですが、腎臓に墨汁を入れると薄まって出てくる様子や、
気管に息を吹き込み肺が膨らむ様子。はたまた木や紙で作る人体模型。
どんだけ日本人はけなげで研究熱心なのさ。
どんだけ日本人はけなげで研究熱心なのさ。
実践実践!の心、そして薬店マップや図鑑もそうだけど、いかにそれを
貴賤の差なく万人に広められるか。
だから国民皆保険ができたんですね日本は。
還元していこうという友愛の心半端ない。
庶民にも伝わりやすくした工夫。体の働きを図解やイメージで表現しています。
最終的には現代医学の紹介で、MRIやCTも
3Dどころか4Dの時代なんですね!
うちにあるのはMRIってやつで神経とか写すには最適。
CTはもっと腫瘍とか見やすい。
人間はじっとしていられるからいいんですが、動物だと全身麻酔が必要。
裸眼で3Dに見えるモニターもスゲー!
3D模型では心臓を握って「戻ってこい…!」って一人医龍。
iPS細胞も生で見られます!
ゲノム解析のあたりはちょうど皮膚科学会でいろいろ聞けたので
タイムリーで興味深かった。
あるときから西洋医学に舵を切ったものの、ダイレクトに働きかけるだけでなく、
漢方や鍼灸のように生体の治癒力を引き出す方法も、今後また
台頭してくるでしょうと。
また、大事なのは身を犠牲にして人のために尽くす心だけでなく、
未病、養生の心で一人一人も病気を予防する心を持ちましょうと。
東西関係なく、それぞれの医学の歴史を見ていくことで、
どれだけたくさんの仁の心で苦しみもがきながら「人のために」と
創り上げられていった世界なんだろうと感動します。
胡散臭いと思うやり方も、ペット業界にはすごく多くて、
金儲けや詐欺の部類とのグレーゾーンなので気をつけなきゃいけないのは
事実だけど、かといってエビデンス厨みたいに証拠証拠言う人にもなりたくない。
それだけがすべてじゃないし。
とはいえ「薬は敵!医者は人殺し!」厨も偏りすぎてて
どんなこっぴどい振られ方で愛を信じられなくなった人ですかってのも気の毒。
獣医も医者も、どのやり方であっても技術の差はあるし、
その嫌な部分にあたったからといって、その人自身の否定もいかんし、
それどころか西洋医学否定、東洋医学否定とかになったりする人も
発想が飛躍しすぎ。
医療ミスや足りなかった部分に気づき、恥じて勉学に励む医師の話とかも
医療ミスや足りなかった部分に気づき、恥じて勉学に励む医師の話とかも
あったり、なんてーか、いろんなやり方はあれど、
どれも「苦痛からの解放、心の救済になっているかどうか」という
「仁の心」につながっているかを基準に考えたら、
いろんなものが受け入れられるんだろうなぁと、
私の中での医療の落としどころがやっと落ち着いた感じ。
まじないとかしかできなかった頃はそのやり方で心を救済したし、
まじないとかしかできなかった頃はそのやり方で心を救済したし、
いろんなやり方がある現在においては、かかる金額と手間とか
照らし合わせたうえで、効果だけでなく、心にもどう作用しているかで、
その医療の価値をはかればいいんだなと。
痛いの痛いのとんでけーでも、金掛からんし手軽だけど愛情マックスで
心ほぐれるわけですし。
この「心の救済」は千差万別なので、どのやり方でもいいけど
この「心の救済」は千差万別なので、どのやり方でもいいけど
「●●は食べてはいけない!●●はしてはいけない!」とかいう
「買ってはいけない」系には相変わらず変な宗教みたいにしか見えないけど、
本人がそれで救われた気になるならいいんじゃないか。「病は気から」ですし。
(でもそういうのハマる人は人に勧めるから鬱陶しいんだけどな…)
しかも合間合間の文章がわかりやすくていい。
(博物館のこういうまとめって、読みづらい文章多くないすか)
「医者は自然の臣(しん)なり」緒方洪庵
医療従事者は痛感している言葉でしょうね。
ものすごく有意義な3時間でした。
大沢たかおの解説を2度3度と聞いていた私。
最後のでかいスクリーンでの鉄拳ぱらぱら漫画も、べたなのに泣かせるぜ…
前売り特典のてぬぐいももらい、公式ガイドブックも掲載数が実際の
展示数より少なくて物足りないからどうしようかと思ったけど、
今日の医に対する感動を思い出すツールとして、購入しました。
帰りに気づいた、うっわー時期合わせれば宮沢賢治の企画展も観られたのにー!!
山梨の奇石博物館にもあるんですが、鉱物大好きです。
小学生のころからよく山梨に宝石拾いに行ってました。
んー また期間中に行かなくちゃ…